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第3章 リードソロモン符号の訂正能力とその選定
リードソロモン符号の訂正能力tは、式3-1で表わされる。但し、nは符号シンボル数、kは情報シンボル数である。
【式3-1】
n-kは冗長シンボル数を表すことから、4シンボルの誤りを訂正するには8シンボルの冗長シンボル、8シンボルの誤りを訂正するには16シンボルの冗長シンボルを付加すればよいことが分かる。このことから、リードソロモン符号の最小距離dminは式3-2で表すことができる。
【式3-2】
ここで、シングルトンの限界式(式3-3)を考える。
【式3-3】
シングルトンの限界式は、最小距離が“冗長シンボル数+1”以下にしかならないことを意味している。式3-2と式3-3から、リードソロモン符号の最小距離はn-k+1となる。従って、リードソロモン符号はシングルトンの限界式を等号で満たし、この意味においても非常に良好な符号であるといえる。
リードソロモン符号の誤り訂正はシンボル単位で行われることに注意が必要である。n=15、k=11、t=2のGF(2^4)上のリードソロモン符号について、訂正可能な例と訂正不可能な例を図3-1に示す。図3-1から、訂正可否は誤りビット数で決まるのではなく、誤りシンボル数で決まることが分かる。
 図3-1 リードソロモン符号による訂正可否
最後に、リードソロモン符号を実際のシステムに適用するときの、訂正能力の決定方法について考えてみる。システムには保障すべき誤り率があり、それを達成するのに必要な訂正能力tをリードソロモン符号に持たせることになる。その値は、式3-4を用いた誤り率計算で求めることができる。Psは、通信路で発生するシンボル誤り率である。
【式3-4】
しかしながら、式3-4は、通信路で発生するシンボル誤りがランダムであることを仮定した式である。実際には完全にランダムであることは稀であり、2シンボル連続エラーや3シンボル連続エラーが頻繁に発生することもある。その場合、復号後の誤り率は大幅に劣化する。数万倍、数十万倍といったオーダーで劣化することも珍しくない。式3-4で計算した誤り率をベースに訂正能力を決定していた場合には、システムを稼働させた時点で愕然とすることになる。これを避けるためには、シンボルエラー分布の特徴をつかみ、それを考慮した計算式で誤り率を見積もる必要がある。
本技術解説を参考にし、必要なリードソロモンの選定が完了すれば、次はRTLの設計が必要となる。株式会社シグリードで提供しているリードソロモン符号生成ツールを用いると、リードソロモン符号の各種パラメータを指定するだけで、弊社IP(Si2520)をベースとしたRTLを自動生成する。また、消失(イレージャ)訂正、外部メモリ、エラー訂正シンボル数制限機能の有無なども指定可能である。
株式会社シグリードでは、リードソロモン符号だけでなく、他の既存の誤り訂正符号やシグリード オリジナルの誤り訂正符号も含めた複数の誤り訂正符号の中から、最も効果的な誤り訂正符号を提案するサービスも用意しており、受託設計サービスとの組み合わせにより、周辺回路も含んだトータルソリューションを提供することが可能である。
※補足3-1 最小距離についての説明は、“誤り訂正符号の技術解説”に記載している。
※補足3-2 シングルトンの限界式を等号で満たす符号を最大距離分離符号(Maximum Distance Separable Code; MDS符号)と呼ぶ。
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